活用

採用・求人で社員の声を活かす

求人を出しても応募が集まらない——その原因は、給与や条件ではなく「働く姿が想像できない」ことかもしれません。求職者がいちばん知りたいのは、求人票には書かれていない「実際に働いている人のリアルな声」です。お客様の声がサービス選びの不安を解くように、社員の声(社員インタビュー)は「入社後の不安」を解いてくれます。この記事では、求職者に響く社員の声の引き出し方、掲載のコツ、そしてお客様の声との違いと使い分けまでを解説します。


なぜ求人に「社員の声」が効くのか

求職者は、応募ボタンを押す前に大きな不安を抱えています。「入社して後悔しないか」「自分に合う職場か」「社風はどうか」——これらは、会社が自分で書いた「風通しの良い職場です」という説明ではどうしても払拭できません。お店の自己PRよりお客様の声が信じられるのと、まったく同じ構図です。

ここで効くのが、実際に働く社員の言葉です。「入社前はこう不安だったが、実際はこうだった」という第三者(先輩社員)の声は、求職者にとって何よりの安心材料になります。求人広告にお金をかける前に、社員の声を1つ載せるだけで、応募の質と数が変わることも珍しくありません。

1求職者の“不安”に答える声を集める

社員の声で大切なのは、当たり障りのない「やりがいがあります」ではなく、求職者が実際に不安に思う点に答えていることです。次のような質問で引き出すと、リアルな声になります。

  • 入社前は、どんなことが不安でしたか?
  • 実際に働いてみて、イメージと違った点はありますか?
  • 一日の仕事の流れを教えてください
  • どんな人がこの職場に向いていると思いますか?
「入社前の不安→実際はどうだったか」というビフォーアフター型の質問は、求職者の不安にそのまま重なるため特に響きます。きれいごとより、正直な等身大の声のほうが信頼されます。

2“自分に近い人”の声を見せる

求職者は「自分と同じ立場の人」の声に強く反応します。未経験から入った人、子育てと両立している人、別業界から転職した人——ターゲットとなる求職者に近い属性の社員の声を選びましょう。

「未経験で不安だったが、研修で追いつけた」という声は、同じく未経験で迷っている人の背中を押します。役職や年次、入社の経緯を一言添えると、求職者は「自分の場合」を具体的に想像できます。

3顔写真・名前・職場の様子で本物感を出す

社員の声は、顔写真や名前(イニシャル可)、職場の様子の写真とセットにすると一気に信頼度が上がります。匿名の文章だけだと「会社が作った文章では」と疑われがちですが、実在の人物が見えると本物感が生まれます。

もちろん本人の同意が前提です。顔出しが難しければ、後ろ姿や手元、職場の風景でも雰囲気は十分伝わります。掲載範囲を本人が選べるようにしておくと、協力も得やすくなります。

4お客様の声と使い分ける

社員の声とお客様の声は、伝える相手と目的が違うので、混同せず使い分けます。

  • お客様の声——買う・利用する人へ。「サービスは満足できるか」の不安に答える。
  • 社員の声——働きたい人へ。「働きやすい職場か」の不安に答える。

採用ページには社員の声、サービスページにはお客様の声、と置き場所を分けるのが基本です。なお、社員の声を集める仕組みは、お客様の声を集める仕組みとまったく同じ。質問を変えて回答フォームを用意すれば、同じ流れで両方を運用できます。

よくある質問

Q. 社員が少なく、声がほとんど集められません。

1人からで十分始められます。求職者は数の多さより、自分に近い人の正直な声を求めています。まずは1人、入社の経緯や入社前の不安に答えてもらうところから始めましょう。少人数の会社なら、社長や創業メンバーの想いを語る声も効果的です。社員が増えるたびに少しずつ声を足していけば、採用ページは自然と厚みを増していきます。

Q. きれいごとばかりの声になってしまいます。

質問を変えるのが効果的です。「やりがいは?」だけだと優等生的な答えになりがちなので、「入社前の不安は?」「イメージと違った点は?」「どんな人が向いていると思う?」と、正直に答えやすい角度から聞きましょう。多少の本音や苦労が入った声のほうが、求職者には誠実に映り信頼されます。完璧に見せようとせず、等身大のリアルさを大切にしてください。

まとめ

求職者がいちばん知りたいのは、求人票に載らない「実際に働く人のリアルな声」です。手順は、(1)入社前の不安に答える社員の声を集め、(2)自分に近い属性の人の声を見せ、(3)顔写真や名前で本物感を出し、(4)お客様の声と使い分ける——の4つ。社員の声を集める仕組みは、お客様の声とまったく同じ。質問を変えるだけで、採用にも声の力をそのまま活かせます。等身大の正直な声こそ、応募者の不安を解く最強の採用ツールです。

関連記事: お客様の声の集め方|依頼メールの文例つき5ステップ

関連記事